2021年度
入賞・入選作品
応募総数 | 145作品 | ||
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審査日 | 2022年2月25日 | ||
入賞・入選 |
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講評
過去、上位に選ばれた高橋のしだれ桜ですが、いずれも昼間で農作業を絡めた作品でした。この作品は、ライトアップかストロボなどの照射か分かりませんが、闇に浮かぶ桜花と北極星を中心に星を回転させた夜景。多くの人は見ることができない写真ならではの世界。桜と星空の露出、配置ともにバランスもいいです。
講評
「今時、珍しい!」のひと言に凝縮されます。よくこんな光景に巡り合えましたね。観光目的か実際に農耕に活躍している馬か分かりませんが、農山村「鬼無里」ならではのショットです。道端で草をはむ馬とご主人の笑顔が素敵です。見る人をタイムスリップさせてくれる力を持った作品です。
講評
一面に山里、鬼無里一帯を覆う雲海。その向こうに日本の屋根北アルプス連山が茜色に染まり、鬼無里の豊かな大自然をがスケール感を持って迫ってきます。夕景ではなく、日の出前後の早朝の時間帯と思われますが、これから始まる1日の序章とともに悠久の時の流れを感じさせてくれます。
講評
奥裾花自然園のミズバショウ群落。木道の脇で腰を降ろして休憩、花を愛でる一行を点景にまとめています。ただし、一行がやや小さめなのが惜しまれます。もう少し表情が分かるくらいの大きさで、ミズバショウとの関わりが出るとよかった。
黄葉の奥裾花自然園を散策
中川智惠子長野県千曲市
講評
画面全体を黄色一色が占め、秋模様がぱっと広がって見えます。道路も落ち葉に埋まり、さらに効果を高めています。ただ、奥の方に見える人物がやや中途半端で、動きや表情などの具体性が盛り込まれると主題がもっと引き立ったと思います。
千年の育み
大瀬 勉長野県長野市
講評
鬼無里地区のイベントのひとコマとのことですが、太い幹を囲む参加者らから樹木の大きさが推定できます。手を伸ばしつなぐ人、後ろから見守る人、それぞれの動きもバラエティーがあっていいです。ただ、手前に架かる案内標識がいかにも真ん中過ぎて、杉の幹や人物の動きなどの主題を相殺してしまいました。
薄明光線~天使のはしご~
佐藤 健長野県長野市
講評
夕暮れ時でしょうか、雲間から差し込んだ一条の光「光芒」を捉えました。やや光線は弱めですが、天空から地上に注ぐ大きな斜めの光を「天使が天空にたどるはしご」となぞらえた題名も作品とうまく合いました。作者の感性が伝わってきます。
火が回って早い!
秋元 秀夫千葉県松戸市
講評
神社境内で行われたどんど焼き。点火するとみるみる燃え上がる炎。普通は、この後のもっと赤々と炎上する場面の方が迫力があり、よく応募作品で見かけるシーンです。しかし、あえてその前段に着目し作画したオリジナルを狙った創作意図が感じられます。周りにお餅などを焼く人たちが入ってくるとよかった。
足取り軽く 新緑のブナ林
湯本 博康長野県長野市
講評
長い冬から解放され芽吹いたブナ林。左端手前に一本を置き、向こうに林立する樹林帯。さらにその向こうにもグリーンの葉・・・と遠近感を持って迫ってきます。散策する点景人物も後ろ姿ですが明確で、大自然を満喫しているかのようです。
総評 (審査員長:増田 今雄氏)
1昨年から導入のデジタルデータ送信による応募が昨年の半数以上から約7割を占めました。地元や長野市など北信を中心に、松本市、小諸市などの県内、千葉県や神奈川県など県外を含め合計145点と過去最多の応募がありました。
例年と同じ色彩に富んだ紅葉の作品が大半を占め、ミズバショウはじめ新緑、盛夏、冬の作品が今回も少なく季節の片寄りが感じられました。紅葉はカラフルで見栄えがあり被写体として取り付きやすいのは分かりますが、冬から目覚め躍動する春から夏にかけた季節、じっと春を待ちわびる冬も狙い目です。目を凝らせば花、早朝には動物や野鳥などたくさんの生き物たちもいます。
また、歴代トップに輝いた作品は風景写真でしたが、今回は人物絡みの作品が選ばれたことは特筆に値します。田植えや稲刈り、お菜取り、ダイコン干しなど生活感あふれる作品も散見されましたが、行事、イベントものがわずかでした。
ややマンネリ化、片寄った季節からほかの季節、バラエティーに富んだ素材に目を向けてみてください。力作をお待ちしております。
講評
水分補給の“おこびる”。ひ孫さんが待つシートに、ペットボトルを両手に持ったご婦人の腰をかがめた姿が印象的です。背中に背負った稲を束ねるわら、背景のはざ掛けとともに日本の山村の消えゆく光景を記録しています。惜しむらくは、向こうに足だけが見える人物の顔が見えるとか、こちらに近づいてくるとかもう少し姿が見え、手前の主題と連携すると、さらにグレードがアップしました。