2020年度
入賞・入選作品
応募総数 | 122作品 | ||
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審査日 | 2020年2月18日 | ||
入賞・入選 |
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素敵な家族
下山 哲司長野県長野市
講評
中央の男性の還暦祝いで鬼無里に来訪した家族とのこと。ありきたりの記念写真から一歩進み、元気さを演出した躍動感あふれるショットです。中でも一番高くジャンプしている主役はじめ全員の笑顔がまさに“素敵”。広々とした鬼無里の山里を背景に、逆光ながら手前に写る影が効果的で、表情が黒くつぶれなかったこともよかった。
晩秋の山道を歩く
中川 満長野県千曲市
講評
奥裾花自然園に通じる山道。黄一色に彩られた中を、キノコ取りでしょうか腰にびくを下げた二人連れが秋を満喫している雰囲気が伝わってきます。手前、左右の樹林から向こうの林まで奥行き感が出ました。
観音堂のもとで
井出 利久長野県長野市
講評
一昨年の当コンテストの最優秀賞と類似していますが、営々と歴史を刻む観音堂と今年も花を咲かせた桜に、悠久の時の流れを感じます。腰をかがめ豆トラで畑を耕すお年寄りの姿は、少子高齢化の現在を記録した貴重な一枚でもあります。
紅葉の木道を行く
草場 洋介神奈川県相模原市
講評
奥裾花自然園、ミズバショウ園地内の木道と紅葉の木々をモチーフにまとめました。同じアングルで出品した横位置の方が紅葉のボリューム感があったものの、点景人物がこの作品より小さく、こちらに軍配があがりました。撮影時期が早めなのか、やや染まり具合が物足りないのが惜しまれます。
鬼女現る
増田 恵長野県長野市
講評
伝説の鬼女紅葉が眠る菩提寺「松巌寺」に数年前から登場したイメージキャラクター看板。夕焼けを背景にぬっと現れたように意表をついた創作意図が汲み取れます。今、話題の「鬼滅の刃」で脚光を浴びている鬼を連想させてくれました。
山村の春
松野 邦弘長野県長野市
講評
土蔵のある民家は日本の農山村の典型的な光景。今年も咲き始めたハナモモをあしらい、前景に耕された畑、農作業を始めるご夫婦。遠く残雪の北アルプスも見え、春本番を迎えた山里鬼無里を切り取っています。
朽ちる、そして生命を繋ぐ
佐藤 忠芳長野県長野市
講評
太い幹から樹齢は200~300年を越すでしょうか。役目を終え、朽ち果て、苔むし・・・静かに土に帰るのを待つ。その苔の中から、こぼれた種が芽を出し次の命が・・・。回りまわってゆく輪廻転生をこの朽ち株に感じた作者の感動が読み取れます。
希望の架橋
米山 勉長野県長野市
講評
奥裾花へ向かう道中、左側に本流と合流する橋と「きなさ」の大きな文字が見えます。誰しもが車窓から見るお馴染みの光景ですが、足を止めて作画、タイトルを工夫した意欲作。ただ、紅葉の樹木が少なく、集落のたたずまいもやや中途半端なのが惜しまれます。
どんど焼き
依田 俊哉愛知県名古屋市
講評
雪で覆われた田んぼか畑で行われたどんど焼き。赤々と燃えるやぐらが印象的ですが、立ち位置が遠目で被写体が小さいのと右上の電柱が無粋です。もう少し迫って、画面整理をして撮影してみてください。
総評 (審査員長:増田 今雄氏)
昨年から導入の作品のデジタルデータ送信応募が半数以上を占め、地元や長野市など北信を中心に、愛知や神奈川など他県から合計122点の応募がありました。
紅葉の作品が大半を占め、春特有の残雪や新緑、ミズバショウの作品が皆無に近く素材の幅という点で物足りなさを感じました。昨年春からの新型コロナウイルスの影響で、奥裾花自然園の開園は6月と遅れました。さらに夏は、老朽、劣化した道路のインフラ整備も重なり、奥まで行けたのは紅葉の10月だけという事情が主な理由のようです。
また、前回増加の兆しを見せた人物絡みの作品応募が影を潜め元に戻ったのは残念です。鬼無里の“売り”は何といっても豊富な自然です。しかし、素材は風景だけではありません。春、夏、秋、冬、鬼無里の大地で暮らす人々がいます。農作業はじめ、営々と継承された行事やお祭り、新たなイベントなどが行われています。足元を探せば草花もあり、耳をすませば動植物の息遣いも聞こえてきます。
コロナ禍が続きそうですが、感染に留意し、もっとフレキシブルに被写体選びの矛先を変えてみてはいかがでしょうか。オリジナルな発見、力作をお待ちしております。
講評
奥裾花渓谷特有の仰ぎ見る大岩盤に筋状に息づく落葉樹。色とりどりの紅葉が岩盤の天頂から放射状に延び、大きなスケールをもって迫ってきます。上部に漂う霧がアクセントを添え、雨の日のしっとりとした感じが再現されました。